Cache Me If You Can

開発中に「またビルドが終わらない...」と嘆いているAndroidアプリ開発者はいませんか? 近年のAndroidアプリ開発において、Gradleは依然として不可欠なビルドツールとしての地位を確立しています。 しかし、Android Gradle Plugin(AGP)やKotlin Gradle Pluginは常に進化を続けており、その変更を追い続けることは多くの開発者にとって大きな負担となっています。 その結果、ビルドの最適化や高速化に手が回らず、日々の開発業務において非効率を感じている方も少なくないのではないでしょうか。 また、過去の知識に基づいて記述された`build.gradle`ファイルが、現在のベストプラクティスに合致しているか自信を持てず、改善に着手できずにいるという声も聞かれます。 Gradleは高度なビルドプロセスを支える基盤であり、Kotlin DSLやConfiguration Cacheなどの新機能によりそのポテンシャルは高まっています。 一方、Androidアプリ開発現場もマルチモジュール構成、Jetpack Compose、Kotlin Multiplatformなどの新しい技術が登場し、開発者は常に最新の知識をアップデートする必要があります。 近年の開発環境において、GradleやAGPの内部動作が開発者にとって理解しにくいのは、無理からぬことでしょう。その背景には、GradleとAGPそれぞれのライフサイクルや、両者の連携に関する理解不足があります。 本セッションでは、GradleとAGPに向き合ってきた経験に基づき、これらの疑問や課題に応えることを目指します。 具体的には、GradleとAGPそれぞれのライフサイクルを詳細に解説し、AGPがGradleのライフサイクルにどのように統合されているのかを分かりやすく紐解きます。 さらに、これらの基本的な理解を踏まえ、Gradle Build CacheやConfiguration Cacheといった強力なキャッシュ機構を最大限に活用するための具体的な設計方針、マルチモジュール構成における効率的な工夫、そして陥りがちなアンチパターンとその回避方法などを共有します。 Gradleのログとにらめっこする日々から卒業し、ビルド時間のストレスを削減することで、より本質的なアプリ開発に集中しましょう! 予定するトーク内容 ■GradleとAGPのライフサイクル 1. GradleとAGPそれぞれのライフサイクルの概要 - Gradleの初期化フェーズ、構成フェーズ、実行フェーズの解説 - AGPの初期化、同期、タスク実行といった主要なフェーズの説明 - 各フェーズで何が行われているのか、APIやExtensionの活用 2. ライフサイクルの理解がビルド最適化にどう繋がるか - 各ライフサイクルフェーズのボトルネックとなりやすい箇所とその原因 - ライフサイクルを意識したAPIの利用法方 ■ビルドパフォーマンスを向上させるキャッシュ機構 1. Gradle Build Cacheの仕組みと効果的な活用法 - Build Cacheがどのようにビルド成果物を再利用するかのメカニズム - Build Cacheを有効にするための設定と推奨事項 2. Configuration Cacheの特徴と導入時の注意点 - Configuration Cacheを有効にするための要件と設定方法 - 導入時に遭遇しやすい問題とその解決策 3. よくあるキャッシュ無効化のアンチパターンとその回避法 - 動的な依存関係の使用や不適切なタスク入力・出力定義がキャッシュに与える悪影響 - キャッシュを意図せず無効化してしまうコードの例と修正方法 ■効率的なモジュール構成と依存関係管理 1. キャッシュ効率とビルド並列化を意識したモジュール分割の考え方 - 機能や責務に基づいた適切なモジュール分割の戦略 - モジュール間の依存関係がビルド時間とキャッシュ効率に与える影響 - 依存関係の方向性と可視性の設計における考慮事項 - 大規模プロジェクトにおける効果的なモジュール管理手法 - 依存関係スコープの適切な使い分け

  • RyuNen344 Android App Developer


概要

  • 日時 2025.09.12 / 16:20 ~ 17:00 (40min)
  • 場所 Koala
  • 言語 日本語

対象者

- Gradleに苦手意識がある方 - ビルド速度をより向上させたい方 - Gradle, AGPのキャッチアップをしたい方 - Lifecycle AwareなGradle Pluginを作りたい方

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